アルニム教授ピアノリサイタル
ドイツ、エッセンのフォルクヴァング音大教授で武蔵野音大客員教授として来日中のアルヌルフ フォン アルニム氏のリサイタルを聴く。プログラムはベートーベンのソナタ作品109、ヤナーチェクの「霧の中で」、ブラームスのピアノ小品、ヤナーチェクのピアノソナタ〈1905年10月1日、街頭にて〉、バッハ=ブゾーニ;シャコンヌ、という渋めの選曲。
アルニム氏のピアノは穏やかな人柄そのままに、派手さよりも作品からにじみ出る内側の美しさを引き出すタイプのひと。
ヤナーチェクは珍しいプロだ。内省的な、孤独感に溢れたモノローグ。独特の民族的なリズムや音型を交えつつ深く静かに聴かせる。
後半は全プログラムを一つの流れとして切れ目無く演奏された。そこにあるテーマは死、あるいは深い哀しみ。ヤナーチェクでは執拗に繰り返されるモチーフがそれを強調する。
ピアノの音色は常に深く、輝かしさよりも心の奥に沁みいるような音。久しぶりに静かに深く音楽を堪能できた夜だった。

Recent Comments